Raspberry Pi 4 Model Bにopenmediavault入れてNASにした


 やー、久しぶりの更新だ。

 ここは公開の覚書として運用してたけど、最近はTwitterで済ませてたからなー。
 ただ、Twitterは非公開にしてしまったので、やはり公開の覚書はこっちでやるか、と。

 で、Raspberry Pi 4 Model B(以下RPi4)にopenmediavault 5(以下OMV)を入れてNASにする話、である。

 NASは色々なとこに導入支援をしてたから、15台くらい触った気がする。
 最初はBuffalo TeraStationで、次にBuffalo LinkStationがしばらく続いて、QNAP TurboNASが少し続いて、Synology DiskStationが今はお勧めかなーと思ってるけど。

 この度、二台をリプレースすることになったのだが、一台は自宅、一台は事務所。どちらも俺の管理で、NAS半分、Linux鯖半分、な運用形態。
 Synologyでもそれなりに何とかなりはするのだが、安い奴は本当に非力で、Samba以外に仕事させると死にそうにフラッフラになるし、色々仕込む時も注意しないと再起動やファームウェア更新の時に真人間に更生しそうな気がするし(QNAPの時はそうだった)、いい加減もうMicroATXか何かでPC組むか、とまで思っていたのだ。
 で、Linux Boxとかベアボーンとかしばらく探してから、ようやくRPiを思い出した訳ですよ。スペック見たら、最新のRPi4はNASにちょうどいい具合。英国面万歳。

 よって、自宅から試験的にRPi4を導入することにした。
 メモリ2GB版で十分だろう、と思ったのでそうする。重複排除FSとか使いたくなると大量にメモリ欲しくなるケースもありそうだけど。
 なお、後日「やっぱDesktop環境で色々やりたくなってきたから8GBにしといても良かったかもなー」と思ったので、色々やりたくなりそう系の人は8GBがいいかも。

 ケースは簡単に手に入ってそこそこ冷えるらしいSliverStoneのSST-PI02。
 HDDは、Western DigitalのWD60EZAZ-RT。6TBのSMR。本当にSMRについては迷ったが、WDがRedで黙ってSMRを採用(そして炎上)したくらいだから、実はそれほど致命的でもないんじゃね、と。
 HDDケースは、玄人志向のGW3.5AM-SU3P。ドスパラで送料無料1980円の圧倒的安さ。でも、かなりいい作り。
 充電器は、OwltechのAO-ACTC2PD。PD18Wの二系統同時出力で1980円。RPi4も行けた。ちなみにPixel 4aの充電器でも行けた。
 充電ケーブルは、MOTTERUのairy510。Owltechの新ブランドで、凄く微妙な名前から普通の微妙な名前に変わった。製品のデザインは良くなったかな。airy510は同社の超タフケーブルより細くてフニャッとしてるが、屈曲試験では昔の超タフよりは強い。繋ぎっぱなしなら余裕すぎ。
 SDカードは適当に風見鶏辺りで買ったSanDiskの余ってる奴。

 これで一式揃うんだから安い。「好きなパーツをバラバラに揃えてケーブルで繋いだ」感も凄くいい。
 Synologyの安い1ベイよりは高いが、スペックは段違いだし、増やしたい時にどんどんHDD増やせて、壊れたとこだけいつでも入れ替え可能で、導入に凝って色々調べながらドタバタして。
 メリットもデメリットも大昔の自作PCみたいだな。

 なお、MicroHDMIとか無いんで完全ヘッドレス運用。ブート失敗するとなんも分からん。起動画面の虹色?とか見たこと無いぜ。モニター付きケースとか数千円らしいけどな。まーいいや。
 ダイソーでMicroHDMI変換アダプターが110円らしいから、本気で必要なら余裕だし。

 ということで、導入開始。

 まずは普通の方法で。
 Raspberry Pi ImagerでLite版をSDカードに焼いて、OMV5のWikiの手順を同等になぞる。
 で、大体問題無く動いた。

 ファイルシステムはext4かbtrfsか迷ったけど、QNAPの意見NETGEARの意見が面白い。
 QNAPは公式フォーラム英語版で運営にストレス溜まったし、Synologyはbtrfs導入を拡大してるし、NETGEARの意見の最後の方の、

両者を使用している環境で強制的な電源遮断を1000回以上行いましたが、Btrfsは一度も問題が発生しませんでした。それに対してEXT4は、inode(アイノード。ファイルシステム上のファイルやディレクトリなどの情報を保存しているデータ)の破損が32,000も発生し、最終的にはディスクフル状態となってしまいました。

というのが面白いので、btrfsにした。

 試験運用は二週間ほぼ安定してて、導入当初の二日で数百万ファイルを転送して三回くらいSMBがWindows側でERROR_UNEXP_NET_ERRを出したけど、わざとDHCP任せで動かす実験をしてたせいかも。
 一週間くらい運用してから素直に固定アドレスにしたけど、それ以前からエラーは出なくなってたし、よく分からん。
 なお、rsyncやrobocopyもどきが欲しくてBunBackupを使っていたが、この謎エラーが怖いので、リトライ処理のあるオープンソースのFreeFileSyncに乗り換えた。

 HDDがSMRな件は、影響の出そうな局面が作れなかった。NAS運用だとそもそも遅いんだ。最初に2TBくらい一気に書き込んだけど、ソースがNASのrsyncじゃ何事も無く。
 他にSMRで起きそうな実害は「RAID1がトラブルを起こすことがあるらしい」しか知らないけど、「動作速度が揃わない程度で障害の起きる冗長構成」とか笑う。冗長化は何の為にあるのか。

 まあ、RPi一台目は安定運用出来そうなので、事務所にも二台目を入れることに。
 事務所のデータは2TBでも余るので、HDDはWD40EZRZ-RT2。4TBのCMR。RPi4はメモリ4GBに。

 そこで思ったが、SDカードの寿命はどうなのか。
 調べてみると「数ヶ月で死にました」とか良くあった雰囲気。でもそれ、/var/logのせいだけじゃないよな…。利用形態が分からんなあ。
 また、OMV5のインストールスクリプトは、openmediavault-flashmemoryって奴を入れてくれて、folder2ramでログをRAMに逃がしてくれるから大幅な長寿命化が期待出来るらしい。なお、入れたくないなら-fを付ければ入れないっぽい。
 でも、そもそもSDカード無しで運用出来るんじゃねーの、と思ったので、長期放置運用になりそうな二台目はそっちを試すことに。

 で、色々試した。

 結論としては、普通のGPTドライブに全部入れてSDカード無し、の運用は出来た。「RPi USBブート」とか検索すれば日本語で詳しく解説されてるから、情報を探してる方はそちらで。
 ただ、正直あんまりやりたくない。Raspberry Pi Imagerで書くとMBRになるし、ならばGPTで切ってから書き込むのか、MBRで書き込んでからGPTに変換するのか。最後にcmdline.txtとfstab弄って終わり。さほどの手間でもないけどさ。何かOMVの挙動が微妙に不審になるんだよな。ファイルシステム作成がWebから出来なかったり。

 俺的に理想っぽくて試したいのは、bootがSDカード、rootがGPTパーティション、かな…。やりたいんすけどね。今から移行するとか面倒で。
 手軽でほとんど問題無いのは、一台目の素直な運用だと思う。SDカードにbootとroot。
 SDカードの容量も大きめにしておけば、寿命の問題も実質無かろう。書き込み量が変わらんなら、容量と書き込み寿命は比例するのだから。folder2ramでも併用すればさらに安心だ。

 まー、総じて、いい環境です。RPi4のNAS。
 ゴリゴリ弄るの大好きマン以外はSynologyでいいんじゃね、とも思うけど。

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