openmediavaultのソフトウェア更新通知が来ない問題を直す


 openmediavault(以下OMV)の通知機能で、ソフトウェアアップデートの通知だけが届かない問題が出てたんだけど、直ったよ、という話。

 結論から言うと、/etc/cron-apt/action.d/3-downloadが存在していない環境ならそれが原因なので、

# cp /usr/share/doc/cron-apt/examples/3-download /etc/cron-apt/action.d/

で解決。
 バグの詳細は、Update notifications not sent – Issue #905 – openmediavault/openmediavaultにあるけど、flashmemory pluginがcron-aptを何故か壊してたらしい。たぶん修正済みだけど、既に壊れてる人は自力で直さないと駄目っぽい?

 問題に気付いたのは、SDカード無しRaspberry Piからソフトウェアアップデート通知が届くのに、SDカードから普通にブートしてるRPiからは届いてなかった為。
 SDカード無しの方は、OMVのインストールをflashmemory plugin抜きでやる為に、installScript-fを付けて走らせてたんだけど、それが幸運にもバグ回避に繋がっていたという。
 比較してみたけど、確かにflashmemory pluginが入ってる方は3-downloadだけ消えてた。

 つーことで、コピーしたら直った。めでたし。


Raspberry Pi 4 Model Bにopenmediavault入れてNASにした


 やー、久しぶりの更新だ。

 ここは公開の覚書として運用してたけど、最近はTwitterで済ませてたからなー。
 ただ、Twitterは非公開にしてしまったので、やはり公開の覚書はこっちでやるか、と。

 で、Raspberry Pi 4 Model B(以下RPi4)にopenmediavault 5(以下OMV)を入れてNASにする話、である。

 NASは色々なとこに導入支援をしてたから、15台くらい触った気がする。
 最初はBuffalo TeraStationで、次にBuffalo LinkStationがしばらく続いて、QNAP TurboNASが少し続いて、Synology DiskStationが今はお勧めかなーと思ってるけど。

 この度、二台をリプレースすることになったのだが、一台は自宅、一台は事務所。どちらも俺の管理で、NAS半分、Linux鯖半分、な運用形態。
 Synologyでもそれなりに何とかなりはするのだが、安い奴は本当に非力で、Samba以外に仕事させると死にそうにフラッフラになるし、色々仕込む時も注意しないと再起動やファームウェア更新の時に真人間に更生しそうな気がするし(QNAPの時はそうだった)、いい加減もうMicroATXか何かでPC組むか、とまで思っていたのだ。
 で、Linux Boxとかベアボーンとかしばらく探してから、ようやくRPiを思い出した訳ですよ。スペック見たら、最新のRPi4はNASにちょうどいい具合。英国面万歳。

 よって、自宅から試験的にRPi4を導入することにした。
 メモリ2GB版で十分だろう、と思ったのでそうする。重複排除FSとか使いたくなると大量にメモリ欲しくなるケースもありそうだけど。
 なお、後日「やっぱDesktop環境で色々やりたくなってきたから8GBにしといても良かったかもなー」と思ったので、色々やりたくなりそう系の人は8GBがいいかも。

 ケースは簡単に手に入ってそこそこ冷えるらしいSliverStoneのSST-PI02。
 HDDは、Western DigitalのWD60EZAZ-RT。6TBのSMR。本当にSMRについては迷ったが、WDがRedで黙ってSMRを採用(そして炎上)したくらいだから、実はそれほど致命的でもないんじゃね、と。
 HDDケースは、玄人志向のGW3.5AM-SU3P。ドスパラで送料無料1980円の圧倒的安さ。でも、かなりいい作り。
 充電器は、OwltechのAO-ACTC2PD。PD18Wの二系統同時出力で1980円。RPi4も行けた。ちなみにPixel 4aの充電器でも行けた。
 充電ケーブルは、MOTTERUのairy510。Owltechの新ブランドで、凄く微妙な名前から普通の微妙な名前に変わった。製品のデザインは良くなったかな。airy510は同社の超タフケーブルより細くてフニャッとしてるが、屈曲試験では昔の超タフよりは強い。繋ぎっぱなしなら余裕すぎ。
 SDカードは適当に風見鶏辺りで買ったSanDiskの余ってる奴。

 これで一式揃うんだから安い。「好きなパーツをバラバラに揃えてケーブルで繋いだ」感も凄くいい。
 Synologyの安い1ベイよりは高いが、スペックは段違いだし、増やしたい時にどんどんHDD増やせて、壊れたとこだけいつでも入れ替え可能で、導入に凝って色々調べながらドタバタして。
 メリットもデメリットも大昔の自作PCみたいだな。

 なお、MicroHDMIとか無いんで完全ヘッドレス運用。ブート失敗するとなんも分からん。起動画面の虹色?とか見たこと無いぜ。モニター付きケースとか数千円らしいけどな。まーいいや。
 ダイソーでMicroHDMI変換アダプターが110円らしいから、本気で必要なら余裕だし。

 ということで、導入開始。

 まずは普通の方法で。
 Raspberry Pi ImagerでLite版をSDカードに焼いて、OMV5のWikiの手順を同等になぞる。
 で、大体問題無く動いた。

 ファイルシステムはext4かbtrfsか迷ったけど、QNAPの意見NETGEARの意見が面白い。
 QNAPは公式フォーラム英語版で運営にストレス溜まったし、Synologyはbtrfs導入を拡大してるし、NETGEARの意見の最後の方の、

両者を使用している環境で強制的な電源遮断を1000回以上行いましたが、Btrfsは一度も問題が発生しませんでした。それに対してEXT4は、inode(アイノード。ファイルシステム上のファイルやディレクトリなどの情報を保存しているデータ)の破損が32,000も発生し、最終的にはディスクフル状態となってしまいました。

というのが面白いので、btrfsにした。

 試験運用は二週間ほぼ安定してて、導入当初の二日で数百万ファイルを転送して三回くらいSMBがWindows側でERROR_UNEXP_NET_ERRを出したけど、わざとDHCP任せで動かす実験をしてたせいかも。
 一週間くらい運用してから素直に固定アドレスにしたけど、それ以前からエラーは出なくなってたし、よく分からん。
 なお、rsyncやrobocopyもどきが欲しくてBunBackupを使っていたが、この謎エラーが怖いので、リトライ処理のあるオープンソースのFreeFileSyncに乗り換えた。

 HDDがSMRな件は、影響の出そうな局面が作れなかった。NAS運用だとそもそも遅いんだ。最初に2TBくらい一気に書き込んだけど、ソースがNASのrsyncじゃ何事も無く。
 他にSMRで起きそうな実害は「RAID1がトラブルを起こすことがあるらしい」しか知らないけど、「動作速度が揃わない程度で障害の起きる冗長構成」とか笑う。冗長化は何の為にあるのか。

 まあ、RPi一台目は安定運用出来そうなので、事務所にも二台目を入れることに。
 事務所のデータは2TBでも余るので、HDDはWD40EZRZ-RT2。4TBのCMR。RPi4はメモリ4GBに。

 そこで思ったが、SDカードの寿命はどうなのか。
 調べてみると「数ヶ月で死にました」とか良くあった雰囲気。でもそれ、/var/logのせいだけじゃないよな…。利用形態が分からんなあ。
 また、OMV5のインストールスクリプトは、openmediavault-flashmemoryって奴を入れてくれて、folder2ramでログをRAMに逃がしてくれるから大幅な長寿命化が期待出来るらしい。なお、入れたくないなら-fを付ければ入れないっぽい。
 でも、そもそもSDカード無しで運用出来るんじゃねーの、と思ったので、長期放置運用になりそうな二台目はそっちを試すことに。

 で、色々試した。

 結論としては、普通のGPTドライブに全部入れてSDカード無し、の運用は出来た。「RPi USBブート」とか検索すれば日本語で詳しく解説されてるから、情報を探してる方はそちらで。
 ただ、正直あんまりやりたくない。Raspberry Pi Imagerで書くとMBRになるし、ならばGPTで切ってから書き込むのか、MBRで書き込んでからGPTに変換するのか。最後にcmdline.txtとfstab弄って終わり。さほどの手間でもないけどさ。何かOMVの挙動が微妙に不審になるんだよな。ファイルシステム作成がWebから出来なかったり。

 俺的に理想っぽくて試したいのは、bootがSDカード、rootがGPTパーティション、かな…。やりたいんすけどね。今から移行するとか面倒で。
 手軽でほとんど問題無いのは、一台目の素直な運用だと思う。SDカードにbootとroot。
 SDカードの容量も大きめにしておけば、寿命の問題も実質無かろう。書き込み量が変わらんなら、容量と書き込み寿命は比例するのだから。folder2ramでも併用すればさらに安心だ。

 まー、総じて、いい環境です。RPi4のNAS。
 ゴリゴリ弄るの大好きマン以外はSynologyでいいんじゃね、とも思うけど。


リビングに置く為にDeskMini 310で一台組んでみた


 リビングにPC(ASUS VM40B)置いてたんだけど、スリープからちゃんと復帰しなくなってきましてな。五年前の奴だし仕方なしか。

 つーか、リビングのこの手の機械は、PS Vita TVを試すとこから始まったのだよな。
 あれを試すことで、動画配信サービスをリビングのテレビで見られる便利さを知った。が、シークがまともに出来ない辛さも知った。

 で、VM40Bが目に入って、試しに買ったらそれなりに満足して。
 シークバーは本当に素晴らしいものですなあ。

 でも、半分壊れかけてきたんで、そろそろ潮時だなー、と。
 ACアダプター引っこ抜いてから、完全に素でブートさせれば立ち上がるんだけど、まー、近々壊れそうだし、壊れなくてもフリーズしまくりは不便すぎるし。

 最初は何も考えずに後継機っぽいのを探してたのだ。出来合いの省スペースPC。
 EPSONのAT10-VがHDMI対応してたら、DeskMiniシリーズに気付かないままだった気がする。さすがにDVI-Dと音声端子を頑張ってテレビに繋ぐ気は無い。
 結果的には、もっと安くて小さくて高性能でサポートの無い世界があったので、俺的には万々歳だったが。Chromecastとかでいいのかもしれんが、まー、PCじゃないと駄目なことがたまーにあるんで。

 つーことで、DeskMini 310である。
 モバイルじゃなくデスクトップ系列の中で最小、というのが素晴らしい。ASRockなのも楽しみ。欲しい物を作ってくるんで。

 DeskMiniシリーズを買うまではすぐ決まったが、310とA300で最後の最後まで迷った。違いは雑に言えばIntelとAMD。
 この二社については、どっちもまー、好きなとこもあれば嫌いなとこもあるし、商品価値を覆すレベルの思い入れは無い。
 ただ、片方にやたら入れ込んでる人が少なくないのも知ってはいる。めんどくせえ。世のレビューがノイズまみれで困る。でも頑張って検討したさ。

 ゲームする環境ならAMDを選んでいたが、ゲームはしない。
 AMDのFluidMotionが動画配信サービスにも効きまくるならやはりAMDを選んでいたが、基本効かないっぽい。将来効くようになるのでは、という期待も十分ありだけど。やってくれんかなー。こういう機能大好きなんだが。
 M/Bの電源回路は、310よりA300の方がいい物らしい。
 CPUの処理能力は若干Intel優勢っぽい。まあ正直余ると思うが。

 ここまでAMDが若干優勢だったが、メモリの相性で起動しないケース、SSDの相性で起動しないケース、というのを立て続けに見てしまい、どちらも本当っぽい為に「組み立てて動かなかった時のアレな心境」が鮮明に思い浮かび、DeskMini 310に決定。

 なお、他のパーツは↓な感じ。
 今回は楽天でほぼ全部買ったんで、高めだけどポイントが10-12%戻る。千円前後の奴はビックカメラとヨドバシカメラで。

  • ASRock DeskMini 310 ¥18,980
  • Intel Core i3-8100 ¥16,180
  • Transcend JetRam JM2666HSB-8G(DDR4-2666/8GB) ¥5,980
  • WesternDigital WD Blue WDS500G2B0B(M.2/SATA/3D TLC/500GB) ¥8,780
  • Windows 10 通常版 ¥16,900
  • SilverStone SST-FF123B(12cmファンフィルター) ¥842
  • 長尾製作所 SS-M2S-HS01(M.2ヒートシンク) ¥1,210

 計¥68,872で、ポイントが多分7000くらいは付くかと。期間限定だらけだけどな!

 数日後、全部届いたので組み立て開始。

 小さくて何かおもちゃっぽい。すげー。
 めちゃくちゃ簡単、とは良く言われてるけど、特に簡単とも難しいとも思わなかった。工数は確かに相当少ないけど。

 地味に面倒と感じたのがM.2取り付け。神経質極まるタイプなので、あんまり基板に触れたくないのよな…。でも、ヒートシンクも買ったから頑張らんと。
 静電気は電圧は凄いから、木とかコンクリとかの抵抗高い物でも触れれば逃げると聞くので、足を木の床に着けたまま作業。自分でも気休め感があるけど、神経質な奴には気休めは実効性高いのだ。
 そして、無事に取り付けの段となるも、M.2専用のネジが全然入ってかないなーと思ったら、M/Bのネジ穴がフィルムっぽい物で塞がってた。良く分からんがブチ破った。神経質って何?

 メモリとCPUはまるっきりいつものなので割愛。
 CPUは、ベアボーンキットのマニュアルだとプレート外すのが分かりにくいんじゃね、とは思った。

 最後にマグネット式12cmファンフィルターをペタッと貼って、Windows10のインストールメディアを作って、起動。

 フオーババババッフオォーバババッバッバッwwwww(轟音)

 うむ。どっかのファンにケーブル触れてる音だな。つーかCPUファンしか無いが。
 すぐに直す。ハハハ。バカめ。

 この時、ACアダプターのAC側を繋いだまま放置してて、ファンのケーブルを直した後にDC側をそのまま繋いだら「バチイッ!」と音がして光った。ぎゃー!!
 でも無事でした。あぶねえ。みんなは真似しないでね。しないね。

 その後は一見順調にWindows10のインストールが進むも、「ネットワークに接続しましょう」とかいう画面が出てしまう。LANを認識してない奴だ。めんどくせえ。ドライバー入れたら直る奴だといいけど。
 ここまで来ちゃうともうUSBから起動させるにも苦労するような後戻り困難状態なんで、仕方なくネットワーク接続は後回しにして、適当にローカルアカウント作ってインストール完了。
 そして、Intel I219-Vのドライバーを落としてきて、USBメモリから導入。ASRockじゃなくIntelの方の最新版を入れた。あっさりLAN接続完了。不具合じゃなくて良かった。
 Intel系はついでにドライバー&サポート・アシスタントも入れとく。

 ここまで来ればもう後は簡単。
 アカウントをMicrosoftアカウントに変更して、sMedio TV Suiteを入れて、Chromeも入れて、と。
 リビングのPCってほとんど何も入れてないから、こんなもんで終わりなんすよね…。

 VM40BはモバイルCeleron 1007Uだったからか、何だかんだで動画配信サービスですらパワー不足なんじゃないかと時々感じることがあったけど、まー、第八世代デスクトップCore i3になった今なら、重かったらサービスの方がおかしいと言えるだろう。
 つーことで、しばらくは様子見かな。
 ちょっと無駄にパワーありすぎな気もするけど、これ以上安くしようとしても数千円しか下がらずにコスパだけガッツリ落ちそうだしなー。こんなもんだろー。


古い掛時計を電波時計化してみた


 いやー、面白かった。電波時計最高。
 写真を撮っとけば良かったんだけどなー。まーでも、写真付きの丁寧な記事は他にいくらでもあるだろってことで、いつものように気楽に書こう。

 うちには古い掛時計がありましてな。割と普通のクォーツ式の奴。
 別にお高い奴とかじゃないんだけど、ちょっとした思い入れのある品で、でも電波時計と比べるとやっぱり不便ではあったのだ。「狂ってるかもしれない時計」と「ほぼ確実に合ってる時計」って別物だからなー。

 んで、これを電波時計にする方法は無いんかな、と。
 無いだろーなー、と思いつつも調べたら、普通にあった。うへえ。

 時計の知識がある人には当たり前なんだろうけど、針を回す機構ってもう共通部品な感じなのな。文字盤とかはバリエーション豊かだけど、電池とか入れるとこの四角い箱っぽい奴は確かにみんな似たような雰囲気ではあった。こやつはムーブメントって名前らしい。そういえば腕時計方面でムーブメントがどうとか聞くなー。似た話ではあるのかもしれん。
 で、そのムーブメントを単体で買って交換すればいいらしい。

 もう少し調べると、「文字盤とかのガワの部分」「ムーブメント」「針」の三つに大きく分けて、お互いの噛み合わせをクリアすればどうにかなるっぽい。
 元々の時計は、まー、動かなくなったらなったで、どこかにしまっておけばいいや、と割り切ることにして、仕様確認の為にまずは分解してみる。

 まず、ムーブメントと針の互換性が問題みたいなんだけど、元々の時計のムーブメントには「SKP」の刻印がでっかく入ってた。SKPとかRTとかYSとかあるらしいけど、SKPの電波時計ムーブメントは買い易くて楽らしい。針が使い回せる可能性も高い模様。駄目なら駄目で、後で針だけ買い足せばいいや。
 ということで、ろくに寸法も計測せずに、ちょっと大きめなMRC-300を買ってしまった。あれだ、CPUクーラーか何かを買うような気楽な気持ちだったのだ。多少のサイズ違いはうまくカバー出来るようになってんじゃね、と。
 だが、基本的に小売り向けでない部品は、そんな無駄なコストを許してくれなかった。いやまあ、普通に何とかなるにはなるんだけどさ。

 とりあえず、反省点として書いておきたい。寸法はちゃんと測りましょう。
 とは言っても、一応俺も真面目に測ったつもりではあったんだが。誠時ってとこが売ってるSKP製電波ムーブメントだったんだけど、精密な寸法図とか用意してくれてないのよな。なので、仕方なかったような気もしなくもない。
 俺の場合、元のムーブメントの軸が根元から先端まで10mmだと思うんだけど、MRC-300を取り付けようとしたらかなり余ったので、MRC-250にすべきだったのかも。
 でも、小さすぎたらそれこそどうにもならなかった気はする。うーむ。「寸足らずを買いました」だけはどうにもならんもんな。もちろん、それが分かってるから大きめを買ったのはあるんだけど、それにしても想定より余り過ぎた。
 もう一つどうにもならないケースとして「電波時計にするつもりなのにクォーツ式買いました」というのもあるが。選んでる時に「これいいじゃん、って電波式じゃねーよあぶねえ」って一度あったからな。ハハハ。

 で、そろそろ話を戻して。とりあえず作業開始。

 最初は特に問題無かった。
 いや、いきなり問題あったな。元々のムーブメントは、プラの爪で上下からホールドされてたのだが、新しいムーブメントを突っ込もうとするとかなり無理があったので、ペンチで爪を根元からブチ折った。不可逆な工作は気が重いが仕方ない。なお、これは多分MRC-250だろうがMRC-300だろうが同じことなんじゃないかなーと思う。
 後で思うに、丁寧に加工して部分的にでも爪を温存した方が良かったような気もするのだが、まー、何とかなってるからいいや。

 んで、ムーブメントとゴムパッキンだの何だのを裏から突っ込んで、表側からナットで留めて、針を丁寧に12時方向にしながら差し込んで、針がちゃんとお互い水平に浮いて干渉してないことを確認したら、ムーブメントに刺さったピンを抜いて電池を入れて、と。

 …針が動かねえ。

 原因は薄々見当が付いていた。以前のムーブメントより軸が長いせいで、針がカバーに当たっちゃってるのだ。
 時計はやはり非常に省電力かつ精密な機構であるせいか、ちょっと針が重たいだけでまともに動かなくなるようだ。

 対策は色々考えられるが、まずはカバーを外してみた。普通に動いた。うむ。でも、これは最終手段としたいなー。
 カバーを軽く浮かせた状態にしてみても動いたけど、これも不恰好だよなー。

 真面目に対策するとしたら、ワッシャーとかで適当に軸を沈ませればいい筈。
 ならば、裏側のムーブメント取り付け面に、ゴムだのワッシャーだのナットだのを無駄に噛ませまくれば何とかなるんじゃね?

 実際やってみたら、手持ちのパーツじゃ全然足りない。
 つーか、全パーツをなるべく文字盤の裏側に仕込んだけど、どうしても秒針が引っ掛かるような動きになる。何度もやり直すの辛いんだよ、この作業。

 結局、ムーブメントの軸の根元側から、ワッシャー(いらない)→2mmくらい空間を空けて半端に締めたナット→ゴムパッキン→文字盤→丸ナット、という順序で並ぶようにして、丸ナットをガッツリ締めたら一応何とか留まった。あまりにもその場しのぎ過ぎて笑えるレベルである。
 そんな雑なやり方でも、ムーブメントと針はお互いガッチリ固定されてるけど、さすがに文字盤の固定は緩い。軽く叩く程度ではさすがに動かないが、少し力を掛ければ簡単に文字盤だけグリグリと回せる。壁掛けの状態でプラプラする程ではないので、実用的には何とかなるかな、とは思うけど。まあ、駄目なら2mmくらい浮いてるナットのとこを真面目に何か噛ませればいいかな。重ねた紙に穴でも空ければ十分だろうし。
 それに、ここを調整するには針を外すところからやり直しなので、もうやりたくない。何しろ、いちいち12時に時計を合わせて、ムーブメントに固定ピンを刺して、針を抜いて、というのが疲れる。特に針の抜き差しは精神的にだるい。すぐ曲がるし。
 針を外すのが面倒なら、ムーブメントをプラ用テープでも粘土でも何でもいいから適当に固定すりゃいい気もしてきた。まー、いくらでも手はあるだろう。多分。

 で、めんどくさいのでピン抜いて電池突っ込んだら、ちゃんとカバーとも干渉せずに動き出した。わーい。

 毎度ながら雑な作業だが、今回は特に雑さが目立った気がする。
 でも動いてるし、寸法を無理矢理合わせる為に変なことをしたからこんなことになっただけで、最初の試運転の時はカッチリ固定されて気持ち良く動いてたので(カバーさえしなければな)、「電波時計化に興味のある方はお試しあれ」と締めてしまっても良かろう。多分。
 とはいえ、うまく行かない時はもっと色々と面倒らしいけど。SKPからSKPへの移植だから楽だったのかも。


白色ワセリンが異様に効く話


 軽いアトピー持ちなんですよ。その他色々なアレルギーも少々。

 年を追うごとにじわじわと悪化してたんで、医者に貰ったステロイド系の薬を素直に塗ったりしてたんですが。
 しっかり治るまで続けないとどんどんまずいことになる、という話は聞いてたんだけど、全く無症状になっても毎日きっちり塗り続ける、ってのもなかなか難しい。
 で、「症状きつい→塗る→数日で無症状に→更に数日続けてやめる→かなり間を置いてから軽い症状がぶり返す→完治しないとまずそうだから今度こそ執拗に塗ろうと誓う→無症状から二週間くらいで続かなくなる(そもそもいつまで続ければいいのか分からん)→一ヶ月後くらいに何か痒みが(ループ開始)」という流れに。
 そして、こんなことをやってるとテンプレ通り、何だか効きも悪くなり始める。やばい。

 焦り始めたところで、どこぞの研究でアトピーにワセリンがガッツリ効いたという報告があったらしい、という話を見る。
 ワセリンなんてもうアスリートとかホモとかに気軽に使われまくってる超安全なブツのイメージはあったし、実際に目の中だろうが口の中だろうが余裕で使えるらしいし、色々な軟膏とかにバンバン入ってるらしいし、ってことで、早速買ってみる。

 とりあえず、アレルギーがきつい人は純度の高いワセリンの方がいい、という話だけど、俺はそこまで重度のアレルギーは持ってないと思うので、白色ワセリンくらいでも十分かなーと。クソ安いし。
 んで、どこのメーカーのが良いのか一応検索したけど、知恵袋しかヒットしない悲しみを味わう。あれは経験上、かなり本気で全く信用してないのだが、一応見てみたら「どこの製品でも変わらんでしょ」的な話で落ち着いてはいる模様。こちらとしても大して気にしてないので、一番安かった健栄製薬の白色ワセリン500gを買った。

 開封してみると、それなりに臭うけど気にするほどでもなく、早速ドバドバ塗る。即効性には全く期待してなかったのに、塗った瞬間からもう症状がはっきり和らぐんで軽く驚いた。
 それでいて、ステロイド系に対するモヤッとした個人的な不安感も無いし、500g入りの圧倒的なコスパと物量でもう頭悪いくらいドバドバ塗りたくっても使い切れる気が全くしないし、マジでストレスフリー。
 で、「症状きつい→塗る→しばらく続けてたら無症状に→更に一ヶ月くらい執拗にドバドバ塗り続ける→さすがにだんだん手抜きになってくる→塗らなくなる→それでも一年くらい平穏」という流れに。
 その後は、たまに軽く症状が出る時もあるけど、ちょいと一度だけ塗っとく程度でも治るので、これもう使い切ること無いんだろなーと思った。そもそも無くても行けそうな気もしていたところに、皮膚や粘膜の調子の悪いという話を二人ほどから聞き、せっかくだから残りを等分して全部進呈した。

 が、「たまーに少しだけ塗る」と「全く塗らない」は大違いのようで。
 軽い症状でも放置してるとじわじわ積み上がるのか、全く塗らずにいたら少しずつ不調が戻り始めてきた。まずい。買い直そう。
 せっかくだから、今度は大洋製薬の白色ワセリン500gにしてみた。二番目に安かったので。

 別に違わないだろーなー、と思ってたのに、開封して軽く驚く。臭いがほぼ分からないし、色も白い。別物感が凄い。
 でも使用感は同じ。塗るとすぐに症状が和らぐ。どういう仕組みなんだろなー。
 まー、どっちが良いのかは分からんけど、無臭の方が純度高そうな雰囲気はする訳で、今後は大洋製薬の方で行く予定。購入時期も違うから、単純に比較していいかは分からないけど。