無駄な空腹感を忘れる方法を思い出す


 無駄な空腹感ってあるじゃん。俺そんな腹減ってねー筈なんだけど、何だか空腹感が湧いちまったなー、みたいな。あと、食事の数時間前くらいに腹が減っちまったー、とか。
 高校時代の俺は、それを瞬時に消す方法を心得ていて、気が向くと平気で二日くらい食わずにいた。
 でも、一日三食しっかり食べないと身体に悪いと言われて、その技術を封印するように心掛けてたら、すっかり忘れてしまったのだ。

 そして、時は流れ。ブクブク太る俺。もう一日三食とか信じねー。少なめの三食にしろとかアドホックなこと言われても、好き勝手食っては絶食してた頃の方が余程気楽だったわ。
 最近は何かどうも心臓に負担掛かってる気もするし、体重に歯止めも掛からないし、まずいなー、と。高校時代の食生活は駄目なところもあったけど、大筋ではあれに戻った方がいいのでは、と思い始めてはいた。
 でも、肝心の空腹感の消し方を思い出せずに長い年月が過ぎたんだけど。軽い吐き気と空腹感が重なった時にふと思い出した。
 そうだ、空腹感はある種の吐き気とすり替えられるんだ。

 そんなん出来ねーよ、とも言われたけど、吐き気を我慢した経験の多いスペランカー向けの技なのかもしれない。乗り物に酔う人も簡単なんじゃなかろうか。不要な空腹感が来たら「うえー気持ち悪ー」という軽い吐き気を思い出して、感覚をすり替えるのだ。
 この技を思い出した直後に試してみたら、普通に一日半は食わずにいられたので、無闇に乱用すると危険かもしれない。
 高校時代の俺は慣れてて、吐き気にすり替える過程も不要だった。全く苦痛無しに空腹感を消していたので、好きなもんを好きに食って、標準体重から+5kgくらいになると急に食べなくなる、みたいな雑なコントロールをしていた。成長期にやることじゃなかったなー、とは思うけど、今ならありかもなー。一気に標準体重になるまで絶食したら死ぬが。何十kgもオーバーしてるし。

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